つばきファクトリー

2021年09月22日 14:59

2021年5月26日発売のアルバム『2nd STEP』収録
つばきファクトリー『光のカーテン』
作詞:児玉雨子 作曲:石井健太郎 

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歌詞

熱持ったまぶたが重たい 今 夜明けの底
真剣なメッセージ 返さないで寝ちゃっていたって嘘
どうして どうして いろんなこと
上手に大事にできないんだろう

「好き」や「嫌い」や知っている言葉だけじゃ
胸のうち 迷い 戸惑い 表せないけど

カーテンを開けなくちゃ 朝は来ないね
街に振った 光のなか

カーテンを開けなくちゃ 仲直りしよう
泣いたわけを それでも会いたいわけを 君へ伝えたいよ 今日は

ちゃんとわかり合えるように結んだ約束
いつからだろうね 心まで縛ってしまったのは
どうして どうして わたしたちは 言うべきことほど噤むの

見つめるだけじゃ ただ手と手 繋ぐだけじゃ
君のこと 過去も何もわからないから

カーテンの向こう側 ひるがえす風
足元に光の道

カーテンの向こう側 雲が駆けるほう
わたしたちの行方なんだと信じたい
確かめ続けよう ずっと

いつだってきらめきは 昨日と今日の縫い目の上
ねぇ もしも時を巻き直せても
きっとわたしは 何ひとつ変われない
だから進まなきゃ

カーテンを開けなくちゃ もう開けなくちゃ
待ち合わせ 光のなか

カーテンを開けなくちゃ 仲直りしよう
泣いたわけを それでも会いたいわけを
君へ伝えたいよ 今日は


おハローございます。二輪車操業です。
オリンピックが盛り上がった夏のギラつく太陽が肌を刺す8月を終え、風が気持ちよく過ごしやすくなる9月も終わりへ向かう今日この頃。皆さま、どうお過ごしでしょうか。
ちょっと季節感を意識したスタートを切ってみましたハロ楽ブログ。というのも今回紹介する『光のカーテン』は「つばき×児玉」が得意とする自然表現で私たちの感情を刺激する歌詞になってます。
それに影響された二輪も季節感溢れる文章でスタートしようと試みたわけです。
やる前はもっと上手くやれそうだと思い書き始めましたが、想像以上に難しく挑戦はたったの2行で終わったというわけです。

「つばき×児玉」といえば季節感。というのは前にも少し触れましたが、この『光のカーテン』でもそれを色濃く感じました。
ただ、今までの自然表現を使った歌詞とはまた少し違った趣きで楽しめる今回の歌詞。
より前向きにより能動的な主人公の感情を描いているような気がしていて、男女関係というよりも前向きに頑張ろうとする人たちについて語っているような気がしたんです。

更にいうと、二輪の大好物なワンシチュエーションでドラマ描く系のやつ。
こりゃあ語るしかねぇというわけです。
なんせこの曲の主人公は多分自分の部屋のなかから外を眺めているだけなんですよね。
パートナーとの喧嘩をきっかけにお互いの関係性を深く考え込んだ夜~早朝。
そんな主人公が前を向く決意をする朝の風景を光のカーテンという言葉が象徴的に表していると。
うーん・・・好きですねぇ。
そんな大好物『光のカーテン』を今回は語っていきます。
みなさんが歌詞を楽しむ1つの要素になれば幸いです。
では、やっていきましょう。


1.簡単にこの歌のストーリーを整理する

まずは、この歌のストーリーを簡単に整理していこうかと思います。
一応、文末に歌詞それぞれを自分なりに解釈したものを載せますが、ここでは整理したものだけを載せますので、気になる方は見てみてください。

<光のカーテン>
時間帯は早朝。主人公はベッドに寝そべりながらスマホを見つめる。
重たいまぶたを開きながらLINEを返す主人公。
「寝てて返せなかったゴメン」
本当は、彼からの真剣なメッセージに何を語ればいいのかが思いつかなかった。
浮かんで消える言葉。どれもが自分の伝えたい気持ちとは違うと思ったからだ。
分かっている。伝えられなくても伝えないと何も変わらないということは。
太陽の光の眩しさが朝を告げる。
その光るカーテンの先には希望があるように思えた。
カーテンを開けなければ、光のなかへは進めない。何も変われない。

「隠し事無く何でも言うようにしよう」
そんな約束は2人がわかり合えるための約束のはずだった。
いつの間にか「隠し事をお互いにしない」ということが「お互いに隠していることはない」ということになってしまった。
気になることがあっても相手に聞けば、相手が約束を破っていることを疑うことになってしまう。
言うべきことほど言えなくなってしまった二人。
主人公自身が聞きたいことを隠し続ける。それが約束を守るために約束を破ることになってしまうことが分かっていても。
カーテンを開けようと踏み出す一歩。
その足元にはカーテンから差し込む光が道のように光っていた。
揺れるカーテンの向こう側で雲が駆けるように、同じ方向へ同じペースで。
彼との行方に思いを馳せる。

床に反射する陽の光がきらめく。向こう側へ踏み出さなければ。光のなかへ。
このままここに居続ければ、何も変わらなければ昨日と同じ日を過ごすだけ。
同じ昨日ではなく今日へ進まなければ。
変わるための一歩を。カーテンを開けよう。
いつもと同じ昨日と違う、今日こそは。
君へ伝える。泣いたわけを。会いたいわけを。

以上がストーリーを簡単に解釈したものになります。
みなさんが考えたストーリーとはどう違うでしょうか?
その違いも歌詞解釈の楽しみですね。
ここからはこの歌詞解釈を基に、特に感動した部分について考察していこうと思います。


2.逆を強調する自然表現の巧みさ

以前のブログでも少し書きましたが、つばき×児玉の代名詞ともいえる自然表現。(参考:キーワードは『季節感』と『ストーリー』 つばきファクトリー『抱きしめられてみたい』
今回の『光のカーテン』でもこの自然表現が物語の主軸に置かれてます。
タイトルにも含まれる『光』と『風』が主人公の心理表現に使われていますね。
いつもながら主人公の心理と物語を上手く自然表現に変換してるなぁと感動しました。
特に感動したのは『逆』を見せるその巧みさ。
その巧みさを感じられる部分を見ていきましょう。

カーテンを開けなくちゃ 朝は来ないね
街に振った 光のなか
タイトルにもなっている『光のカーテン』を表している1節。
部屋の外から中へと光が差し込んでいるカーテンは中から見ると光って見えます。
それを『光のカーテン』と例えてるんですね。
光の中にある温かみや輝きを感じる一方で、その光が部屋の中に居る主人公の闇を写しだします。
暗い部屋の中に居るからこそカーテンはより輝いて見えるっていうことなんですよね。
つまり光を表現することで同時に闇も表現をしていると思うんです。
彼との喧嘩に答えが出ず暗い気持ちになっている主人公の心理的な暗さ。もしかしたら、一晩中への明かりを点けなかったのかもしれません。
そういったことを感じさせる『逆』の巧みさ。素晴らしいですね。


カーテンの向こう側 ひるがえす風
足元に光の道
ひるがえすというのは、風自身ではなく風によって何かが動くことです。つまり、「ひるがえす風」を、風「が」ひるがえしている。と解釈するのは言葉の意味としては間違いということになります。
今回の使い方を解釈するとカーテンの向こう側「を」風が揺らしているという表現が1番しっくりくるんじゃないかと思います。
カーテンの「向こう側」なので、「こちら側」は風が淀んでいる。つまり主人公側は淀んでいることを表現する意味合いもあるんじゃないかと感じます。これは主人公が心理的に淀んでしまっていることを示しているようにも見えますね。
この部分でも『逆』の巧みさを感じます。「向こう側」を描写することで「こちら側」が見えてきているということですね。

次の歌詞『足元に光の道』は、窓からさす光を道に例えています。
『足元』なので主人公はカーテンから光が差す場所に立っている可能性が高いように思います。寝ている主人公の足元に光が差している可能性もありますが、寝ている足元の光を道に例えるのは少し無理があるような気がします。
カーテンの前に立つ主人公は、まさに「向こう側」と「こちら側」の境界線に立っている。というような感じじゃないかなと思います。

ここで挙げた2つに、片一方を表現することでその逆を強調する表現に感動しました。
細かい表現への拘り。その積み重ねで曲が作られているんだなぁと実感します。


3.『変わりたい主人公』の歌

『光のカーテン』は歌詞の中で問題が解決しているかというとそうではないと解釈しています。
象徴的なのは最後の歌詞です。

カーテンを開けなくちゃ 仲直りしよう
泣いたわけを それでも会いたいわけを
君へ伝えたいよ 今日は
ここまでの歌詞で何度も『カーテンを開けなくちゃ』と出てきていますが、最後になってもまだカーテンは閉じられたままです。
つまり、主人公は最後まで行動は出来ていないということです。それでも主人公は『変わりたい』と願い続けます。
人が変わろうとすれば変われるに違いないと前向きなメッセージを感じるのか、最後まで変われない主人公に、簡単に人は変われないと後ろ向きなメッセージを感じるのか。
これは人によって変わってきそうです。
二輪としては、やはり前向きに捉えたい。というところです。
タイトルの『光のカーテン』や歌詞から感じる前向きなメッセージをそのままに受け取りたいと思うのです。
何より『変わりたいと願う1人の主人公』の存在こそが希望なのではなんじゃないかと。
人が変わるのはそんなに簡単なことじゃない。主人公がなかなか踏み切れないのは当たり前。
人は変わるとき、思い悩み苦しむ。それでも前へ進む。それこそが希望だと思うのです。

この希望は変わりたいと願う全ての人々に呼びかけるもの。
変わりたいと願う全ての人たちへ、その苦しみとそれでも進むことの大事さを説いているんじゃないか。
そう思うわけです。
今までのつばき×児玉の歌詞はどちらかというと受動的な歌詞が多かったように思います。
してほしいのに相手がしてくれないこと。。
それを嘆くことが中心になっている歌詞が多かったんじゃないかと。
今回の『光のカーテン』は、主人公自身が変わり前へ進むことで状況を変えられるんじゃないかという希望が全体を包みます。
その能動的な前向きの姿勢が今までのつばき×児玉にない新鮮さを生み感動を産んでいると思うのです。


4.変わらずドラマチックに、よりメッセージを込めて

今回の『光のカーテン』は今までのドラマを描くことに寄っていたつばき×児玉とは少し異質な歌詞になりました。
今までと同じように溢れる自然表現でドラマを描きつつ、主人公の心理描写を能動的にすることでより前向きなメッセージを込めて。なんだかつばきファクトリーの進化を強く感じるものになっているんですよね。
彼女たちもメンバーの脱退や加入もありました。苦しむことも多くあったでしょう。
しかし、彼女たちは前へ進み続けてくれる。なんだかそう安心してしまうのです。
より前へより先へ。彼女たちが開ける次の光のカーテンの先には何が待っているでしょうか。
1ファンとして楽しみに彼女たちを見守っていきたいですね。







※今回の考察詳細
基本的には自分が考察する用に書き殴ってますので文章が二転三転したりところもあるかと思いますが、それも楽しんでいただければ幸いです。


熱持ったまぶたが重たい 今 夜明けの底

眠れずに朝を迎えている。夜明けの底なので早朝(日の出直後?)と想定できる。
『熱持ったまぶた』は、眠れないほどの熱い感情が目を覚ましていたという比喩?


真剣なメッセージ 返さないで寝ちゃっていたって嘘

相手からの真剣なメッセージに返せず、朝を迎えたのはなぜ?
→眠れていないということはめんどくさかったということではない。返したいけど文章が思いつかない。あるいは思いついた文章を送ることができなかった。


どうして どうして いろんなこと
上手に大事にできないんだろう
大事にしたいけど出来なかった。ということはメッセージのやりとりをしている相手やメッセージは大事にしたいものということ。
それが上手にできないことに主人公は悩んでいる。というより人生のなかの色々な場面で悩んでいる様子。


「好き」や「嫌い」や知っている言葉だけじゃ
胸のうち 迷い 戸惑い 表せないけど
選ぶ言葉の選択肢の筆頭が好きや嫌いということは今回のことに関しては「恋愛関係」のこと?相手からの告白に返事が出せずに朝を迎えた?
少なくとも、全力のOKやNGではないことは確か。迷っていて戸惑っている状況。
嫌ではないが心の底からのOKともいえない状況になっている?


カーテンを開けなくちゃ 朝は来ないね
街に振った 光のなか
受動的ではなく自分から行動を起こさなければ状況は変わらないことを時間帯で描写する。
当たり前のことから気づきが抽出されていく。
光の中にある眩しさや温かさ。その光が部屋の中に居る主人公の闇を映し出す。


カーテンを開けなくちゃ 仲直りしよう
泣いたわけを それでも会いたいわけを 君へ伝えたいよ 今日は
真剣なメッセージは喧嘩したあとの自分たちの関係をどう考えるかについてのメッセージだった?
相手は好きや嫌いだけで表現できない。でも大切にしたい人ということになる。
今日「は」伝えたいので前回上手に伝えられなかったことを悔いていることが強調されている。
泣いたということは一晩中泣いていたということにもとれなくはない。
その泣いたわけこそが相手に会いたいという証明にもなる相手への想いなのかもしれない。

ちゃんとわかり合えるように結んだ約束
いつからだろうね 心まで縛ってしまったのは
どうして どうして わたしたちは 言うべきことほど噤むの
約束とは「隠し事無く何でも言うようにしよう」というようなことか?
心まで縛ったというのは逆に何でも言えなくなってしまったということ。
言うべきことほど言えなくなってしまった二人。
対象は「わたしたち」なのでお互いに上手にできていないと主人公は思っている。
隠し事をしないというルールのせいで聞きたいことが聞けなくなっている?
聞いてしまえば相手がルールを守っていないということを疑ってしまうから。
逆説的に主人公自身も聞きたいことを隠しているのでお互いに隠し事をしてしまっているような状態になってしまった。
これが「わたしたち」と言う理由か?


見つめるだけじゃ ただ手と手 繋ぐだけじゃ
君のこと 過去も何もわからないから
コミュニケーションが不足してしまったせいで不安が募ってしまっている。
見つめたり手を繋いだりはしているが、以前紹介した「好きって言ってよ」と状況は似ている。
主人公は相手方が何かを隠していることを疑っている。あるいは確信を持っているが相手から言い出すのを待っている。少なくとも聞きたくてしょうがないことがある。相手に関してのことで。


カーテンの向こう側 ひるがえす風
足元に光の道
ひるがえすというのは、風自身ではなく風によって何かが動くこと。
つまり、「ひるがえす風」というのは、風「が」ひるがえしている。というのは間違いということになる。
今回の使い方を解釈するとカーテンの向こう側「で」風が揺れている。もしくは、カーテンの向こう側「を」風が揺らしているという表現になる。
向こう「側」なので、こちら側は風が淀んでいる。つまり主人公側は淀んでいることを表現したいのかもしれない。
これは心理的な表現でいうと主人公が循環していない。変われない自分でいてしまっている。ということを示しているようにも見える。
窓からさす光を道に例えている。
「足元」なので主人公はカーテンから光が差す場所に立っている可能性が高そう。
寝ている主人公の足元に光が差している可能性もあるが、寝ている足元の光を道に例えるのは少し無理があるような気がする。


カーテンの向こう側 雲が駆けるほう
わたしたちの行方なんだと信じたい
確かめ続けよう ずっと
雲が駆けるという表現で風を表現している。
風に乗って進んでいる方向が自分たちの行方だと信じたいということは、それが追い風で進んでいる順風満帆な行方になることを信じたいと言っているということ?
確かめ「続ける」「ずっと」という表現から主人公は相手との関係性がこれからも長く続くことを願っていることが分かる。
風に乗った雲は同じ方向進む。つまり、主人公は相手と同じ方向に進み続けることを信じたいと表現しているのかもしれない。


いつだってきらめきは 昨日と今日の縫い目の上
ねぇ もしも時を巻き直せても
きっとわたしは 何ひとつ変われない だから進まなきゃ
床に反射する陽の光を「きらめき」と表現している。
縫い目というのがちょっと分からないがカーテンと床の境界線を表現?
「光の道」という表現からカーテンとカーテンの間を縫い目と表現しているようにも思える。朝が来なければ日を改められていないので明日は来ていない。カーテンを開けないと明日は来ない。
つまり、カーテンを開けることが出来なければきらめきとは出会えないということなのかもしれない。
それなら「今日」と「明日」でも成立するようにも思えるが、主人公は今まで上手く出来なかった自分に想いを馳せているので「昨日」と「今日」になっている。
ここで過去を想うことで、次の歌詞で前へ進むことを決意する流れが自然に感じられている。
時を「巻き直す」というのが少し解釈を難しくするが、単純に時を戻すという意味合いとみて良いように思う。
カーテンとイメージを重ねるために「巻き直す」という表現を使っているのかもしれない。
時を戻すことを願うのではなく自分自身が前に進むことを選ぶ主人公。
曲中全体から見えるのは「自分から何かを変えること」を強く願う主人公の姿。


カーテンを開けなくちゃ もう開けなくちゃ
待ち合わせ 光のなか
カーテンを開けなくちゃ 仲直りしよう
泣いたわけを それでも会いたいわけを 君へ伝えたいよ 今日は

待ち合わせという表現を使っているので、「今日は」伝えたいというのは「会って」伝えるということなのかもしれない。
その決意の行動の一歩目がカーテンを開けることなんだと語っているのかもしれない。


最後までカーテンは開いていない。
つまり主人公は最後まで変われなかったというようにも見えなくもない。
もちろん、主人公がこのあとカーテンを開けて外へ踏み出しているのかもしれない。
そこは聴き手にゆだねる部分になっているんじゃないかと思える。
人が変わることはそれだけ難しいということを少し含んでいる感じもする。


※タイトルの光のカーテンとは
外から光が中へ差し込んでいるカーテンが光って見えている。
それを「ヒカリノカーテン」と表現している。
希望的なニュアンスが多いタイトルなので最後も希望的に解釈する方が作詞した児玉さんの意には沿うような気がする。



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2020年10月04日 18:14

2020年9月30日発売
つばきファクトリー『イマナンジ?』
作詞:Soflan Daichi 作曲:玉木千尋

 

歌詞

待ち合わせした いつもの駅に 足早に向かってく
キミを見つけて 見慣れた街が 鮮やかに色づいたのに…

プレゼントにあげた腕時計 付けた左手は今日もまた
ポケットに入ったまんまね こっそり右手をぶつけては

イマナンジ?イマナンジ? 精一杯の合図
何回も何回も オマジナイみたいに
「いま三時」 大惨事… まるで気づいてないや…
鈍感で 呆れちゃうわ 私のDarlin'

イマナンジ? イマナンジ? やっと出した手を
なんでかな ポケットに Ah…戻しちゃうの


たまには少しいい子をやめて 羽目を外してみたい
「キミといたい」と「もう帰らなきゃ」を 揺れ惑い進む振り子時計

門限を気にする素振り 大切な"乙女のたしなみ"
「どうしたの?」なんて野暮なこと 聞かずに空気で察してよ


イマナンジ? イマナンジ? 精一杯の合図
キミが目を見て言った 「駅まで送るよ」
引き止めてほしかった なんて言えないよ
優しくて臆病だね 私のDarlin'

自己暗示 自己暗示 優しい人だから…
なんだかな…やりきれない… 午前0時


男の子たちがほら よく言う決まり文句
女ってなぜ急に不機嫌になるの?
違うのよ一つずつちゃんと理由があって
言葉より態度より ねぇ… 私を見て


イマナンジ? イマナンジ? そんなオンナゴコロ
察してよ 察してよ ねぇ… 愛しのDarlin'

おハローございます。二輪車操業です。
最近は気温も下がり始めて、なんだか秋だなと感じることも増えてきましたね。
二輪は29歳になり、新しいことを始めるエネルギーが枯渇している状態になってしまいまして。
これはイカンと危機感を覚え、とりあえず流行りものを漁りまくるという活動を始めました。
秋というのは新しいことを始める良い季節ですね。
とりあえず、夜に駆けながら1000倍返ししときましょうね。

さて、今回は9月30日にリリースされたつばきファクトリーの新曲『イマナンジ?』を取り上げます。
つばきファクトリーというと季節感ある歌詞の曲が多いイメージですが、今回の新曲ではオールシーズンもの(?)の歌詞で季節感を感じさせるワードは一切ない歌詞になりました。
ただ、どこか「つばきっぽさ」を感じる歌詞になってます。その「つばきっぽさ」とは何なんだろうかな・・・ということはまた次回にでも。
『イマナンジ?』という言葉の使い方が非常に巧みだなあと感じた次第なので、そんなところを中心に考察していこうかなと思います。
ちなみにこの曲のMVを見て、りこりこに目覚めた方も多いでしょ?そうでしょ?私もそうです。


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1.『イマナンジ?』の2つのシチュエーション

まずは、『イマナンジ?』を考察していきましょう。
『イマナンジ?』は、曲の1番と2番で違うシチュエーションが描かれてます。
1番では、「手を繋ぐために腕時計をプレゼントしたのにそれに気づいてもらえない女の子
2番では、「門限を破らせてほしい女の子
をそれぞれ描いてますよね。

どちらも簡単に言うと回りくどいオンナゴコロが描かれます。
この2つのシチュエーションが『イマナンジ?』という1つの言葉で繋がれています。つまり、『イマナンジ?』という言葉に2つの意味が込められているということですね。
この1つの言葉に2つの意味を込めるというやり方がこの曲の核だろうと思ってます。
もう少し詳しく考察していきます。

1番の「手を繋ぐために腕時計をプレゼントしたのにそれに気づいてもらえない女の子」から。

待ち合わせした いつもの駅に 足早に向かってく
キミを見つけて 見慣れた街が 鮮やかに色づいたのに…
この部分では、主人公の彼への心境が分かってきます。
待ち合わせに足早に向かう。彼を見つけて街が鮮やかに。
明らかに彼女の彼への想いはかなり高まっているように思えますね。
ただ、最後が「のに...」なのでそう簡単にはいきません。

プレゼントにあげた腕時計 付けた左手は今日もまた
ポケットに入ったまんまね こっそり右手をぶつけては
ここが少しややこしいところかなと思うんですが、『プレゼントにあげた腕時計』という強めのキーワードに引っ張られてしまうんじゃないかなと。
というのも、筆者の最初の解釈はプレゼントへのリアクションに不満ですか・・・?となってしまっていたからなんですね。でも、ちゃんと見ていくとキモはそこではないと分かります。

ここのポイントは『ポケットに入ったままの左手』にあります。
時計を見させたいんじゃなく、左手をポケットから出させたいわけです。
ここまでくると、あぁ、彼女は手を繋ぎたいのかなと思えてきますね。
このややこしさがこの曲のポイントにもなってきます。
あと、『今日もまた』なので彼女は何度かこの作戦を実行して失敗してきていると分かりますね。

イマナンジ?イマナンジ? 精一杯の合図
何回も何回も オマジナイみたいに
「いま三時」 大惨事… まるで気づいてないや…
鈍感で 呆れちゃうわ 私のDarlin'

イマナンジ? イマナンジ? やっと出した手を
なんでかな ポケットに Ah…戻しちゃうの
ここで「イマナンジ?」というキーワードが出てきます。
時計を見させることで手を繋ぐ自然な流れを作ろうという彼女の健気な頑張りです。
ただ、彼はポケットに手を戻してしまい彼女の計画は失敗に終わります。

この1番では『イマナンジ?』を「時計を見させることによってポケットから手を出させて手を繋ぐための言葉」として使っているということになります。
「手を繋ぎたい」→「いつも手をポケットに入れてる」→「出させなきゃいけない」→「時計をプレゼントして出させよう」→「ダメなら時間も聞いたれ」ということですね。



それでは2番の「門限を破らせてほしい女の子」を見ていきましょう。

たまには少しいい子をやめて 羽目を外してみたい
「キミといたい」と「もう帰らなきゃ」を 揺れ惑い進む振り子時計

門限を気にする素振り 大切な"乙女のたしなみ"
「どうしたの?」なんて野暮なこと 聞かずに空気で察してよ
2番は割とストレートな描かれ方がされているので考察する感じではないですね。
この部分で注目したいのは、『振り子時計』でしょうか。
1番と2番ではシチュエーションが違うというのは何度も書いてきました。
その違う状況を繋ぐためにそれとなくリンクする情報を含ませているわけですね。
ここでは1番の「腕時計」と2番の「振り子時計」という共通するイメージのものを使うことで歌詞全体のバランスを調和させている・・・に違いありません。
そう考えると冒頭の歌詞もリンクさせているようにも見えてきますね。
1番の「いつもの」と2番の「たまには」ですね。
この2つの言葉は全く逆の意味合いを持っているからこそ響きあう感じがします。

イマナンジ? イマナンジ? 精一杯の合図
キミが目を見て言った 「駅まで送るよ」
引き止めてほしかった なんて言えないよ
優しくて臆病だね 私のDarlin'

自己暗示 自己暗示 優しい人だから…
なんだかな…やりきれない… 午前0時
2番では『イマナンジ?』のキーワードを「時間を聞くことで終電の時間を意識させる」ために使います。
彼女としては、「今日はもう少し一緒に居よう」なんて言われたかったんでしょうが、彼はそう一筋縄にいかないので駅まで送っちゃいます。
2番の『イマナンジ?』には、「終電の時間を気にする素振りを見せるから引き留めて!」のメッセージが込められている訳ですね。

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2.『イマナンジ?』のテーマと表現

ここで『イマナンジ?』の考察をまとめていきましょう。
1つの言葉に2つの意味を込めるというやり方で1番と2番の違ったシチュエーションを繋いでいる。
・1番では『イマナンジ?』を「時計を見させることによってポケットから手を出させて手を繋ぐための言葉」として使っている。
・2番では『イマナンジ?』のキーワードを「時間を聞くことで終電の時間を意識させる」ために使っている。

見ていただくと分かるように、1番と2番それぞれに「2つの意味」を持った『イマナンジ?』が使われています。そして、1番と2番の違ったシチュエーションを繋ぐのも「2つの意味」を持った『イマナンジ?』という言葉になるわけです。
ちょっとややこしいことしてんなぁと思えてきますが、これはこの曲で語られている回りくどいオンナゴコロの表現なんじゃないかなと思うんですね。違うシチュエーションを同じ言葉でまとめているのに、歌詞としてのメッセージ性が統一させるための技術なんじゃないかなと思ってます。

あと、ハルウララの考察回でも書いた「カタカナは心を込めてない説」が今回のタイトルにも当てはまってきます。
全体の意味合いを読んでいくと、本心として言っていない『イマナンジ?』なので、前回の考察と同じように考えていいと思います。ただ、1つ気になるのは歌詞に『オンナゴコロ』というカタカナが使われていることです。
ここをどう解釈するべきなのか。
表に見せているオンナゴコロと本当に思っている女心の違いを表現しているんでしょうかね。
相手にぶつけている言葉なので一応意味があるんだと思ってるんですが、中々難しい部分になります。
皆さまのお好きなように解釈して、良かったらコメントとかで教えてください。

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3.まとめ

今回は『イマナンジ?』を考察しました。
つばきファクトリーのスタンダードっぽさ。を感じますし、やっぱりつばきの中心には「ドラマ」があるなあと感じましたね。いやあ、つばきっぽい。
この「つばきっぽさ」と「主人公が全部同じ説」についてもまた書きます・・・なるはやで。カップリングについてなんかも、書くかもしれません。書くかも。
え?アンジュルムはどうしたって?
ホラ、それはもう夜が遅いから。今からやれって?いやいや、イマナンジだと思ってます?

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2019年12月21日 14:03

2020年1月15日発売
つばきファクトリー『意識高い乙女のジレンマ』
作詞:西野蒟蒻 作曲:KOUGA 編曲:大久保薫



歌詞

 「忙しい」なんて言い訳はナンセンス
この世で唯一時間って平等だ
あの子との映画
明日 <あす> の試験勉強
苦渋の取捨選択
正解はないよね?

つまらない子と思ってるよね
他の子 誘ったかな
やっぱり行けばよかったな…
でも大きな夢 叶えたいなら
それなりにでっかい ギセイが要るんでしょ

もしも1つだけ願いが叶うのなら
わたしを2人にしてください
1人は映画へ1人は図書館へ
恋も夢も選べない
意識高い乙女のジレンマ

「恋わずらい」なんてしてる暇ナッシング
将来のためと先生は言うけど
今だけの感情逆に貴重でしょ
青春の有効期限どう過ごせばいい?

恋を知らなきゃ 愛はできない
最近の世の中の冷たさも そのせいかも…
とはいえ大事な 他の全部をおざなりにしそうで
ハマりきれないんです

もしも1つだけ願いが叶うのなら人生を2回にしてください
1度は溺れたい 1度は飛びたちたい
恋も夢もゆずれない
意識高い乙女のジレンマ

もしも1つだけ願いが叶うのなら
わたしを2人にしてください
1人は映画へ1人は図書館へ
恋も 夢も選べない
意識高い乙女のジレンマ

おハローございます。二輪車操業です。
今回は来年1月に発売される両A面シングルから『意識高い乙女のジレンマ』のお話です。
以前、ナインティーンの蜃気楼の記事を書いた時にお話した『2色のつばき』ですが、両A面の2曲がその2色を表しているように思います。
今回新しくハロプロのクリエーターに加わった作詞家、西野蒟蒻さんについても少し書きながら。
お時間あれば是非見てってください。

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つばきの2色について改めて

以前書いた記事「夏のつばきは白く咲く つばきファクトリー『ナインティーンの蜃気楼』」でも触れましたが、つばきファクトリーには2つの顔があるというお話。
ドラマを表現する彼女たちと等身大を語る彼女たちですね。
今回の両A面シングルでは『抱きしめられてみたい』はドラマを表現する彼女たち
『意識高い乙女のジレンマ』では等身大の言葉を語る彼女たち
その2つの顔が見られます。こりゃあお得なシングルだわ。

この2つの顔があるという話を前にしたときは、『等身大=元気や無邪気』というような印象で書いてしまったのですが、当然人間ならば陰と陽があるわけなので、語られる言葉は必ずしもポジティブではありません。それでもその言葉は彼女たちの等身大から出てくる言葉ではあるわけです。だからこそ、この歌は何だか響く。
何故響くか分からないけど何だか響く。それは彼女たちこそが『意識高い乙女のジレンマ』を抱えているからに他ならないからなんじゃないか。そんな風に思うんです。

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夢と恋を追う一人の女性

ついつい私たちは忘れがちになってしまうのですが、彼女たちは基本的には『普通の女の子』なわけです。そんな彼女たちが偶然にもアイドルを志してさらにその先の夢に向かって進んでいると。
その一方で彼女たちは当然のように恋をするわけです。思春期の女性ならば恋への憧れもあるでしょう。
それでもアイドルという夢を追いかけるにはそこは諦めるか隠れながら実らせるかを選びます。
どちらを選ぶかは個人によるでしょうが、常にそのジレンマに悩みながらアイドル活動をしていることはほぼ間違いありません。
そんな彼女たちが歌うこの歌はただの物語ではなく、彼女たちの心から出てくるリアルな感情が乗っかっているように感じるわけです。
この等身大を過不足なく表現しているつばきファクトリーはやっぱり凄いですね。

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ファンも考えさせられる歌詞

上の項目でも書いたようにこの歌を彼女たちに当てはめると、恋が出来ないのは自分たちファンの影響が大きいように思います。そうなると響く歌詞が多いです。
特にこの一節は何だか考えさせられるなぁと。

恋を知らなきゃ 愛はできない
最近の世の中の冷たさも そのせいかも…
とはいえ大事な 他の全部をおざなりにしそうで
ハマりきれないんです

うーん・・・この『大事なほかの全部をおざなりにしそう』というのがね。
勝手にこっちの気持ちを乗せると、アイドル活動やファンのことも大事でそれをおざなりにしてしまうのが怖いと。
そんな気持ちがあるんじゃないかと考えると、アイドルに簡単に恋愛をしていいだのしちゃいけないだのと言っちゃいけないんじゃないかなんてことも思ってしまいますね。
しかし、表面上は恋愛をしていない彼女たちにこの詩を書いてくる作詞家はなんというか中々の曲者だなと思います。
そう変わった名前のあの方です。

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作詞家『西野蒟蒻』

今回、作詞家としての活動としては2曲目。
前回はカレッジコスモスの『わたし革命』という歌で作詞を担当されています。
この2曲の共通点としては『詩と歌唱者のリンク感』でしょうか。
『わたし革命』では「表現者になる不安とその不安を打開する勇気」というテーマがあったように思います。
カレッジコスモスは全員が現役の女子大生という肩書持ちです。この肩書からまだ表現者として歩み始めたばかり。というイメージがあります。
そのイメージを含ませた歌詞を書き上げてるわけですね。

今回の『意識高い乙女のジレンマ』でもつばきファクトリーのイメージを大切にした歌詞だと感じます。
なんかつばきファクトリーって『意識高い乙女』って感じしませんか?
意識高いだけなら他のグループでも当てはまりそうですが、『乙女』と言われるとなんかつばきっぽい。そんな感じ。
まだ2曲だけですが、西野さんは詩と歌唱者のリンク感を強くすることによって、出来上がったドラマを語らせるのではなく、彼女たちこそがドラマなのである。という詩の書き方をされるんじゃないでしょうか。そして、その捉え方は非常に的確な印象を持ちます。
そうなると他のグループを西野さんが捉えると・・・?
楽しみな作詞家さんがまたハロプロの仲間に加わりましたね。

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今回のシングルはつばきを余すことなく楽しめる!

今回のシングルはドラマを語るつばきと等身大を語るつばき。
それぞれのつばきファクトリーを楽しめる楽しいシングルになったんじゃないかと思います。
しかしシングルではあんまりこう元気はつらつ!みたいな曲は減らす方針なんですかね?
季節柄、切なくなりがちではあるんですが。
逆に言えば、この2曲は表現の方向性は似てるにも関わらず、ここまで表現の使い分けができているのが凄い!
そんな超お得なシングルは2020年1月15日発売です。
忘れずゲットしましょう!

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2019年12月16日 12:59

2020年1月15日 発売
つばきファクトリー『抱きしめられてみたい』
作詞:児玉雨子 作曲:大橋莉子 編曲:平田祥一郎





歌詞
外は冷え込んでる
窓は曇ってる
ぼんやり街眺めるふり
きみはまだ来ない 来ない


外は冷え込んでる
熱気がこもってる
口をちゃんと閉じてなくちゃ
「甘えたいな」だとか
「寂しいよ」だとか
こぼしちゃうから


誰かに恋をしてるときは
ひとりでいると息苦しい
いつもなら気楽なのにな


境目がなくなるまで ぎゅって
あぁ 抱きしめられてみたい
“そこらへんの女の子”って
呆れないでね お願い
絡まった感情ごと
きみに抱きしめられてみたい
そうすればきっと 見せないで済むのよ
情けない泣き顔


言葉 積もってゆく
画面 光ってる
仲間内の トークルーム
沈黙は強い証拠


ボタンを押さなくちゃ
開かない自動ドア
やっと君は来てもずっと
気づいていないのか
わざとなのかしら
立ち尽くすだけ


したいことと してほしいこと
多すぎないよう捨ててみても
きみの前だと溢れちゃって


もう強がる必要もないくらい
抱きしめられてみたい
人前をふたりきり
変える魔法をください
その胸飛び込んで
きみに抱きしめられてみたい
ほんのあと一歩踏み出せない今
壊してしまえたら


境目がなくなるまで ぎゅって
あぁ 抱きしめられてみたい
“そこらへんの女の子”って
呆れないでね お願い
絡まった感情ごと
きみに抱きしめられてみたい
そうすればきっと 見せないで済むのよ
疑いの瞳も
ねえ あの子誰なの

おハローございます。二輪車操業です。
冬×つばき×児玉は、昨年の低温火傷と同じなんですが、今回も児玉さんらしい歌詞運びになっていると感じたこの歌。
基本的に私は歌詞を上から考察しながら記事を書いていくので、一緒に考察しながら記事を見ていただけると楽しいかなと思います。
お時間あれば、ぜひ見てってください。

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外は冷え込んでる 窓は曇ってる
ぼんやり街眺めるふり きみはまだ来ない 来ない
→ 前半部分で冬という季節感を。後半部分で主人公の心情を描きます。
「来ない」のリフレインは『三回目のデート神話』であった「好きだけど」のリフレインと同じく要求する気持ちの表現かなと感じます。
児玉さんは非常に季節感を大事にされる方で、歌詞の前半で季節感に関するキーワードを入れることが多いです。特につばきに書く歌詞は物語の中心に季節感を据えることも多いように感じます。(低温火傷、三回目のデート神話、
ナインティーンの蜃気楼)
この辺りは事務所の戦略もあるように思いますが、児玉さんには得意分野だと思うのでつばきと児玉さんの相性が良いのはそこに理由があるように感じます。
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外は冷え込んでる 熱気が籠ってる
口をちゃんと閉じてなくちゃ
「甘えたいな」だとか「さみしいよ」だとかこぼしちゃうから
→ この歌詞では主人公の心情を温度で表現します。これは去年リリースされた『低温火傷』に似てますね。外(今している態度)は冷え込んでいるが熱気(心に秘める主人公の想い)は籠っております。と綴るわけです。続く歌詞では主人公がため込んでいる熱い気持ちが伺い知れます。「甘えたい」「さみしいよ」と言いたいけど言えない心情。

ここでもう1つの読みがあります。
外を彼と見た場合の読みですね。
あなたは何だか冷めてるけどこちらは熱くなってますよ。という読みですね。
ただ、この場合彼を外とするなら彼女は中でなければならないと。
そう考えると主人公を熱にしているのは少し不自然だと感じます。
今回は外と熱は主人公のなかで完結していると考えます。

このあたりの温度の対比は非常に印象的で、児玉先生らしい五感を意識した歌詞だなぁと感じます。

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誰かに恋をしてるときはひとりでいると息苦しい
いつもなら気楽なのにな
境目がなくなるまで ぎゅって あぁ 抱きしめられてみたい
“そこらへんの女の子”って呆れないでね お願い
絡まった感情ごと きみに抱きしめられてみたい
そうすればきっと 見せないで済むのよ
情けない泣き顔
→ 主人公のなかに溜まっている想いを吐き出すような歌詞です。
ここまでの歌詞を見ていると「絡まった感情」というのが、伝えたい→伝えたくない→伝えられない→伝えたい。の絡まりだと理解できます。
あとは「情けない泣き顔」も自分の本当の気持ちを伝えられない自分への情けなさから涙を流してしまうというような表現ですね。

さて、この歌詞部分ではある疑問について考えておきたいと思います。
・主人公と彼の関係性について
この曲のタイトルになっている「抱きしめられてみたい」という言葉ですが、この言葉が二人の関係性に疑問を感じさせます。
私からすると「抱きしめられてみたい」という言葉は「今までされたことが無い」ようなニュアンスに感じるんですよね。
2人で待ち合わせているし、伝えたい気持ちが「好き」「愛してる」の類ではないことから既に交際関係まで発展しているんだろうと感じるんですが・・・抱きしめられてみたいとなると抱きしめられたことが無いんじゃないかと読めてしまうわけです。
もちろん、"今"なんじゃないか?"強く"なんじゃないか?付き合ってるけど抱きしめられたことが無いんじゃないか?心理的な意味合いじゃない?という読み方もできるんですが、二人の関係性が語られていないことで少し混乱を招く言葉なのではと思います。
この記事では「交際関係」という結論で進めます。

______________________________________
※1
言葉積もってゆく 画面光ってる
仲間内のトークルーム 沈黙は強い証拠
→ さて難解な物語が始まりそうな2番です(*'▽')

まずは映像が1発で見えてくるこの歌詞が今回の歌詞中で1番好きな歌詞です。
「言葉が積ってゆく」なんてそれだけ言われても意味が伝わりませんが、「画面が光る」「トークルーム」という言葉でLINEだね!となるんですよね。
もう脳内に映像でパン!と映像が浮かびます。凄いぞ児玉先生。
先にお題を出して後半で謎を解く。この謎解き形式の歌詞運びですね。

「沈黙は強い証拠」というのがちょっと難しいですね。
仲間内に彼は含まれているのか?なぜ沈黙しているのか?ですね。
ここをどう解釈するかは結構重要な気がしてます。
『彼=彼氏』説を採用するのであれば「仲間内のトークルーム」というイメージは少し合わないように感じます。ということは彼はトークルームに居ない。にも拘らずトークルームが沈黙していることが彼に関する何かの証拠になっているんだろうということになるわけです。この段階ではここまでしか読めません。何の証拠なのよ。

もう1つあるのは『彼=交際前で意中の相手』説ですね。こちらを採用するならば、「仲間内」に彼が居たとしてもそこまでの違和感はありません。
彼が沈黙している。それが1番強い証拠でしょ?ということですね。
こちらのほうが読みやすいような気はします。ここまでの歌詞から考えると彼氏じゃないと思える要素が薄いので・・・こちらの説を強く推す方がいらっしゃれば是非ご意見を。

______________________________________

ボタンを押さなくちゃ 開かない自動ドア
やっと君は来てもずっと気づいていないのか
わざとなのかしら 立ち尽くすだけ
→ この部分は物凄いイライラしてることを感じさせる歌詞です。
1番の最初の歌詞で「外は冷え込んでる」と書いてあることで、視点は建物のなかからだと意識できます。カフェの窓際の席かな?ドトールぐらいの感じをイメージします。
やっと君が来ても」という言葉から彼女の「待たされてんぞ。」という強い意志を感じます。怖い。
立ち尽くす彼に対してもうイライラしまくります。
お?お前わざとか?早よ来いやおい。みたいな感じ。
このイライラ感の元は※1の「強い証拠」が関係していそうですね。

この部分の「わざとなのか」という歌詞で「彼はトークルームに参加してる」説が持ち上がります。
彼女が強い証拠を掴んでいたとしても彼が知っていなければ「わざと」遅らせる理由が無いんですよね。であれば、彼がトークルームに参加していて何か不都合な話に沈黙。その後待ち合わせに遅れていて、自動ドアでも立ち尽くす。ぐらいのほうが「わざと」と感じるには自然に思えます。
「わざと」だと感じるぐらいに彼女は気持ちが拗れているということにも思えるので解釈は見た方にお任せして。
私は「トークルーム不参加」説にしておきます。
彼女はそんなに待たされていなくて、児玉名物「何でも悪い方に思えてくる女子」にも思えてきました。

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したいこととしてほしいこと多すぎないよう捨ててみても
きみの前だと溢れちゃって

もう強がる必要もないくらい抱きしめられてみたい
人前をふたりきり変える魔法をください
その胸飛び込んできみに抱きしめられてみたい
ほんのあと一歩踏み出せない今壊してしまえたら
→ 強がり女子爆発です。
「人前をふたりきり変える魔法をください」という歌詞ですが、ふたりきりなら彼の胸に飛び込めると思ってるということでしょうか。じゃあ二人きりなら抱きしめられたことがあるということなので、「抱きしめられたこと無いんじゃないか」説は解消されましたね。

「ほんのあと一歩踏み出せない今」という表現から、彼が建物に入ってきて合流したことが分かります。主人公も立って迎えているんじゃないでしょうか。
目の前に居る彼。少し。ほんの少しだけ踏み出せれば・・・ということですね。
そのほんのあと一歩のが踏み出せない彼女。強がりが邪魔です。
2人きりならできるのになぁ!も強がりに聞こえてきます。

______________________________________

境目がなくなるまでぎゅって 
あぁ抱きしめられてみたい
“そこらへんの女の子”って呆れないでね お願い
絡まった感情ごときみに抱きしめられてみたい
そうすればきっと 見せないで済むのよ
疑いの瞳も
ねえ あの子誰なの
→ 最後の一言で全部のネタバレ見せられたみたいな気分・・・
もうこの部分の考察は「ねえあの子誰なの」に尽きます。
ここまでなんじゃかんじゃと言ってきましたが、彼女の想いの根底にはこの言葉があったわけです。
彼女がイライラしていたのは「あの子」と一緒に居たのを見たから。
情けない泣き顔になるのは「あの子」と一緒に居たのを見たから。
トークルームが沈黙するのは「あの子」と一緒に居たのを見た仲間と「あれって、彼だったよね。」「うん・・・そうだね」という会話をしたから。
「抱きしめられたい」のも「あの子」と一緒に居たのを見たから。あの子は何でもないと。私を愛していると証明して。疑いの目も泣き顔も見ないで。疑いなんて無いと思わせて。
全部言っていることが分かってきますね。

会うまでは強がりで疑いなんて無しにしてほしいと思っていましたが、彼の前でしたいこと(疑いの追求)とされたいこと(抱きしめられたい)が溢れます。

抱きしめられなかった彼女は2つの選択を求められます。
①自分から抱きしめる
②疑いの追求 

最後まで抱きしめられたかった彼女からすれば疑いの追求はしたくなかったんでしょうが、二人きりになる魔法を持っていない彼女は自分から抱きしめることはできませんでした。
「ねえあの子誰なの」と伝えることで物語は終わりを迎えます。
「ねえあの子誰なの」が「疑いの瞳も」に対して食い気味に歌唱されるのは彼女が待ちきれなかった。感情がまさに溢れたことの表現かなと感じました。
ある意味では強がりの自分から抜け出すきっかけにもなりそうですが、彼女が最初に望んでいなかった結果にはなってしまったようです。
あと、彼女が自動ドア開けてるよね。多分。
自動ドア開く→彼が話す前に「ねえあの子誰なの?」だよね。
本当に映像が浮かぶ歌詞だなあ・・・

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小説家からキャリアを始めた児玉さんは物語を描くのが上手いと私は常々思っていて、まるでドラマや映画のようなワンシーンを切り取らせたら天下一品だなぁと。
今回見せてくれた物語はどんでん返しが面白い映画みたいなお話でした。
なぜ?とミスリードを積み重ねた歌詞の先にはしっかりと答えが用意されていて、その答えを見ると全てがつながるような気持ちよさがある歌詞。
これこそが『脚本作詞家:児玉雨子』だなぁ。

何となくですが、つばきファクトリーのグループコンセプトも見えてきたのかなと。
キーワードは「季節感」と「ストーリー」
つばきの歌には常に主人公が居て物語が紡がれているように思います。
彼女たちはその物語を語る。いわばストーリーテラーなのではないかと。
その彼女たちに1番合っている作詞家が物語を書くことにたけている児玉雨子さん。
つばき×児玉は最強の計算式になりそうです。

今後も季節に応じた物語を聞かせてくれそうな彼女たち。
次は『春』『夏』『秋』とどんな曲になるんでしょうか。
春だけど失恋。夏だけどバラード。秋だけど超アップテンポの元気な曲。
予想外の取り合わせをしてくるかを考えるのも楽しそうです。
来年は1月始動で『冬』なので次は『春』?
今年はリリースが控えめだったので来年は四季とともにリリースがあればいいな・・・なんて思ってます。

今回の歌詞考察いかがだったでしょうか。
つばきファクトリーの考察が多いのはアレでしょうね。
好きなんでしょうね。
年末なので最後に「ハロプロ歌詞大賞2019」みたいな記事を上げられるよう準備してます。
では、またの機会に。

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2019年09月13日 14:35

つばきファクトリー『ナインティーンの蜃気楼 』
作詞 : 児玉雨子 作曲 : 中島卓偉 編曲 : 鈴木俊介



 

こんにちは。二輪車操業です。 始まりました。ハロプロの歌詞について考えるブログ。
もう歌詞についてはほとんど書いてない記事を更新し始めておりますが、そのうち前スタイルの歌詞考察系の記事なんかもちょいちょいと書いていこうかなと思っとります。
Twitterなんかもやっておりますので、この曲の歌詞を考察せよ。と指令がある方は是非お寄せ下さいませ。 さて、今回は8月24日に発売されました中島卓偉さんの新曲『ナインティーンの蜃気楼 』について書いていこうかと思います。
夏も終わりに差し掛かるころにリリースされたこの曲。
なんといっても「揺れてー揺れてー消えなーい」の辺りは卓偉ファン垂涎の出来ですね。 「クーラー切った部屋」の辺りなんかも中々・・・とにかく聴きどころ満載の新曲を皆で聞いて夏を楽しみましょう! 二輪車操業でした!

嘘!続く!まだ見てって!

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今年の夏は・・・どうだった?

さてさて、皆様の今年の夏はどうだったでしょうか。 恋に、スポーツに、仕事に。未来に輝け煌めけと謳歌した方々もいらしゃるでしょう。 ちなみに私はと言うと夏らしいことをしたのは川沿いにバーベキューをしに行ったぐらいでしょうか。ただ、30歳も近づくオジサンは二日目になるとヘロヘロで眠くてしょうがなくなっておりました。
本当に30近づくと老いがスゴイ。 それ以外は部屋のなかに引きこもってました。
部屋のなかは楽しいぞ。 そんな私のお仲間も決して少なくないと想定します。
そんな夏を過ごした私やあなた。 夏つばきは今回そんなみんなの歌を歌っています。 でもそのメッセージは外へ出ろ!とかそんな人生ダメだ!という説教じみたものではなく、あくまでも10代の彼女たちのそのままの感覚でした。その「等身大の姿」を見て、ここ最近見ていなかったつばきファクトリーの一面を見たような気がするのです。
本当は夏に咲かないつばきの花。ハロプロのつばきは夏に白く咲きました。
そんな彼女たちのお話を少しだけ。

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つばきから遠のいた「ドラマチック」

最近のつばきファクトリーはというと「ドラマチック」な彼女たちをたくさん見せてくれていました。「三回目のデート神話」では外強気中弱気な女性を、「ふわり、恋時計」では胸に秘める恋心を大人っぽくと表現してくれました。
そんな彼女たちにはピンク色の花の椿の花言葉「控えめな美」「控えめな愛」が似合います。
しかし、その表現が彼女たちの等身大かというと少し違ったように思います。
矛盾する感覚こそがハロプロの楽しみの一つではありますが、やっぱり彼女たちが素直に出るような歌も聞きたかった。
今回は「遠のくドラマチック」という歌詞にもあるように、最近の彼女たちが見せていた「ドラマチック」な雰囲気から離れ、「等身大」の彼女たちを感じる楽曲になったんじゃないでしょうか。

なにより皆が見るからに可愛い。やっぱりニッコニコで歌って踊る姿というのが良い。
それは作られた「ドラマ」ではなく、まさに彼女たちの「リアル」。
特に年齢の近い女性であるほどそのリアルこそが自分に当てはまる部分も多いんじゃないでしょうか。
そんな素直に表現する彼女たちは白い花の椿の花言葉「至上の愛らしさ」がまさにピッタリです。

表現者としての彼女たちを楽しめるピンク色のつばき。
等身大の彼女たちを楽しめる白色のつばき。
みなさんはどちらのつばきがお好みですか?

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次は何色に咲く?

さてさて今回は色んな顔を見せてくれるつばきファクトリーについてお話しました。
色んな表現ができるということは実力の証。相当な努力を影で積んでいる証。
これこそが彼女たちのプロ意識です。

夏を楽しんだ方、まだ夏の蜃気楼が見える方。色んな夏を過ごされたことでしょう。
みなさん夏が終わります。次の季節ではつばきは何色に咲かせてくれるか。
新しい季節で新しいつばきを楽しみましょう。

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2019年03月06日 18:00

こんにちは。二輪です。

書き終わったあとに気づきましたけど更新予定5日でした。
失礼しました。

今回は2月27日に発売したこの曲。

つばきファクトリー『三回目のデート神話』
作詞:児玉雨子 作曲:中島卓偉 編曲:炭竃智弘




歌詞
春あらし わたし 好きだけど 好きだけど

突風が髪の束を蹴散らして笑った
わたしたちそろそろ付き合っちゃいそうだよね

「きみのことが知りたい」と、きみは言うけれど
恋の気圧配置 たじろぐんでしょうね。

ほかの子より距離が近い
誰にでもそうなの? 自意識過剰なの?

訊けないのは どこが好きになったのか
それは余所行きのわたしではないよね?

ねえ 知ってる?

三回目のデート神話では結ばれなくちゃおしまい
きみの顔も見られない

三回目のデートシーンでは告白とかあるんでしょ?
幻滅されたらどうしよう

春あらし わたし 好きだけど 好きだけど

脈がなかったほうが どんなに楽だろう
やっぱり無し だなんて いちばんの全否定

しょせん言葉は枯葉だよ
吹けば飛んでゆくもの 実感がずっとほしいよ。

気になるのは愛されるのかどうか

逢うたびに冴え返ってないよね?きみの瞳(め)

ねえ 知ってる?

三回目のデート神話では慣れてくるらしいけど
きみのいつも前では取り繕ってしまう

三回目のデートシーンでは あばたもえくぼなんでしょ
もし後から ふられたら...

春あらし わたし 好きだけど 好きだけど

きみの瞳
ねえ 知ってる?

三回目のデート神話では慣れてくるらしいけど
きみのいつも前では取り繕ってしまう

三回目のデートシーンでは あばたもえくぼなんでしょ
もし後から ふられたら...

春あらし わたし 好きだけど 好きだけど
春あらし わたし 好きだけど 好きだけど



今回は言葉の意味を調べることが多かったです。
「春あらし」や「あばたもえくぼ」、「冴え返る」という単語の意味も調べなおしました。
この曲を聴いた人で調べた人も多いんじゃないかな?w


春あらし わたし 好きだけど 好きだけど
まず「春あらし」の意味を抑えると『春先に吹く強い風。』のことです。
春先は春でも早い時期を指す言葉ですから、友達以上恋人未満の二人の関係性が正に当てはまります。
そんな時期に吹く突風。強い風。ですから、主人公の中で彼への思いがより勢いを増していることが分かります。1回目・2回目とデートを重ねるごとにどんどん想いは強まっているんでしょう。

そんなに私は思っているけど、あなたは?ということが「好きだけど」という言葉の繰り返しで表現されています。「こっちは好きだけど・・・そっちは?」と続く言葉が見えます。
彼はどうなんでしょうか・・・ということは後々語られていきます。


突風が髪の束を蹴散らして笑った わたしたちそろそろ付き合っちゃいそうだよね
突風と春あらしは非常に近い言葉ですが、こちらの突風は心理的な意味合いというよりも実際起きている事象について語っている歌詞だと思われます。
心理的意味では「春あらし」を使うことで「心理的な面の春のような温かさ」をイメージさせ、実際の事象としての表現は「突風」とすることで実際に主人公が置かれている季節を限定しないようにしています。これにより、この曲を聴いた人たちがどの季節に居たとしても主人公を自分に置き換えて想像できるようになっているのだと思います。
次は蹴散らして笑うという表現ですが、この言葉の流れだと、風に嘲笑われているような印象を受けます。ただ、続く言葉が割と好意的な言葉「わたしたちそろそろ付き合っちゃいそう」ですから判断が難しいところです。
私としては、どうしても言葉の流れから好意的には見えません。
ということで「突風が髪の束を蹴散らして笑った」→「風に嘲笑されているような気がする」→「彼との関係性が上手くいっていない不安感」を表現していると判断します。
そのあとに続く「わたしたちそろそろ付き合っちゃいそうだよね」は「そうだよね?付き合っちゃいそうなんだよね?」という不安からくる確認の言葉なのではないかと推測します。



「きみのことが知りたい」と、きみは言うけれど 恋の気圧配置 たじろぐんでしょうね。
彼女の想いが急激に変わっていることを気圧変化に例えています。
それこそ「春あらし」が吹くほどに彼女の想いが急激に高まってますからね。
もしかしたら最初は彼女よりも彼の方が押しが強かったのかもしれませんが、それが逆転するぐらいに私の気持ちは高まっていますよ。と言っている訳ですね。


ほかの子より距離が近い 誰にでもそうなの? 自意識過剰なの?
彼への思いは強まりますが彼からの直接的な表現はなく、彼女の中に不安感が高まります。
男でもこういうことはよく考えます。女性より考えるかもしれません。
ちなみに私は話しかけられただけで「おっ?この子俺のこと?」と思うぐらい、しょうがない人です。


訊けないのは どこが好きになったのか それは余所行きのわたしではないよね?
彼女の中では恋心MAXまで高まっているので、どこが好きになったのか?本当に好きなの?といことを問い詰めたいところですが、流石にそれは出来ません。
不安感もMAXなので1,2回目のデートで「余所行きのわたし」ではない自分を見られて愛想を尽かされているのではないかと思ってしまいます。
ちなみにこの部分では「訊けない」と表現しています。
「訊く」「聞く」「聴く」と3種類ありますが、今回の歌詞では『自分から相手に尋ねる』ことを意味する「訊く」が使用されています。


ねえ 知ってる? 
三回目のデート神話では結ばれなくちゃおしまい きみの顔も見られない
三回目のデートシーンでは告白とかあるんでしょ? 幻滅されたらどうしよう

春あらし わたし 好きだけど 好きだけど

誰から聞いてしまったのか、主人公は「三回目のデート神話」を耳にしてしまったようです。
ここまでの過剰にも思える不安感も、「今回ダメならダメなんだ」と彼女が思っていたのなら納得できますね。
その一方で「告白とかあるんでしょ?」という言葉に細やかな期待感が見えます。


脈がなかったほうが どんなに楽だろう やっぱり無しだなんて いちばんの全否定
この歌詞は非常に共感率の高い歌詞なんじゃないかと勝手に思うんですが、3回デートしたうえで告白されないのは辛いよねぇ。確かに「いちばんの全否定」です。
ここは何というか「確かにそうだよね。」を的確に突きすぎて言うことが無いですねw


しょせん言葉は枯葉だよ 吹けば飛んでゆくもの 実感がずっとほしいよ。
気になるのは愛されるのかどうか 逢うたびに冴え返ってないよね?きみの瞳(め)

この部分は一気に考えていきます。
上の歌詞「実感がずっとほしいよ。」は何の実感が欲しいのか?という疑問が出ますが、そのあとに続く歌詞「気になるのは愛されるのかどうか」によって、それは愛されているかの実感であることが分かります。
そこから「逢うたびに冴え返ってないよね?きみの瞳(め)」と続きます。
冴え返るという言葉は『いったん衰えたものが、また盛んになる。』という意味を含んでいますので、逢うたびに気持ちが盛り上がっている彼女と対照的に彼は気持ちが盛り上がっていないように見えるのでしょう。彼女は、その様子を見て「愛されている実感が無い」と感じるわけですね。

この部分の解釈で悩ましいのは冴え返るという言葉に『春になっていったん緩んだ寒さがまたぶり返す。』という意味が含まれていることです。
春あらしという言葉で彼女の心情を表現しているので、季節が絡むこの意味を無視はできないと思いました。
こちらの意味を採用すると「デートのたびに高まっていく気持ちが、次のデートを迎える度に冷めていないよね?」という彼への疑問のようにも思えます。
曲中で彼への問いかけを何度も行っていることからこちらの解釈でも全く不自然感は無いように思えます。
曲中の雰囲気や流れを考えると後者の考え方の方が自然なのかもしれません。

ねえ 知ってる?
三回目のデート神話では慣れてくるらしいけど きみのいつも前では取り繕ってしまう

この部分では「きみのいつも前では」という部分に注目したいと思います。
注目するのは「いつも」の位置です。
ここは曲を聴くたびに違和感を感じる部分で、綺麗な流れなら「いつもきみの前では」になると思うんですね。しかし、児玉先生は「きみのいつも前では」を採用しています。
これにどんな効果や意味があるんでしょうか。
私が考えたところだとこの部分では「彼女の心苦しさ」を表現するためにこの順番を採用したのではないかと思いました。
口に出すと分かりますが、「いつも君の前では」だと若干言葉が綺麗に流れます。
それに対して、「きみのいつも前では」の方は言葉が若干途切れるように感じます。
「きみの いつも まえでは」というようにですね。
この途切れ感によって、彼女はそうしたくないのにそうしてしまう歯がゆさ心苦しさを表現する効果を狙ったものではないでしょうか。


三回目のデートシーンでは あばたもえくぼなんでしょ もし後から ふられたら...
春あらし わたし 好きだけど 好きだけど

「あばたもえくぼ」 初めて聞いた言葉でした。
意味としては『愛する者に対しては、欠点さえも長所に見えることのたとえ』なんだそうで、痘痕(あばた)という天然痘のあとで肌にボツボツになっているのも靨(えくぼ)のように魅力的に見えるよ。ということらしいです。

彼がその欠点も長所に見える段階まで進んでいることを彼女は願います。
彼女の中ではそこまで気持ちは高まっていると感じます。
曲中での彼女から彼への問いかけはほぼ彼女の希望と願いです。
そこから主人公像が思い浮かんできますね。


きみの瞳 ねえ 知ってる?
三回目のデート神話では慣れてくるらしいけど きみのいつも前では取り繕ってしまう
三回目のデートシーンでは あばたもえくぼなんでしょ もし後から ふられたら...
春あらし わたし 好きだけど 好きだけど
春あらし わたし 好きだけど 好きだけど

ここはもう彼女の心情フルMAXという感じです。
概ね考えた歌詞ではありますが、「ねえ知ってる?」という部分の不安感を感じる詞と曲がこの曲で一番好きな部分です。


まとめ
この曲は最初聞いた時から凄く好きな曲になりました。
歌詞だけ読み解くと結構可愛い女の子の歌詞だと思うんですが、卓偉さんは結構クールでカッコいい曲を書かれています。
最初から最後まで歌詞を読み解いていくと、この曲の主人公像「表は強気、言葉も強気、心の中では超弱気で不安感満載」を表現しているんだろうなと感じます。

何かご意見ご感想。妄想してほしい楽曲等あればコメント欄までお願いします。
ハロオタのみんなと歌詞をエンジョイしたい!から始まってますので、お気軽にお願いします。

次回更新予定日は3月9日(土)
楽曲は待てないアフターファイブ(カントリー・ガールズ)です。

次回予定楽曲に対してのご意見などもお待ちしてます。

ではまた次回。

2019年02月25日 15:09

歌詞考察ブログ始まりました。
早速ですが、今回の曲はこちら。


つばきファクトリー『今夜だけ浮かれたかった』
作詞:児玉雨子 作曲:中島卓偉


この曲はハロプロのファンでも評価が高い曲。
ネットを検索しても、色々考察してる方も多い曲ということもあり、最初の曲に選びました。

歌詞はこんな感じ。

今夜だけ浮かれたかった
ねえわたしの真夏どこいった?
今夜だけ浮かれたかった
ねえこのまま帰るの

勇気出してつけた香水 火薬の煙に消された
もっと近づきたいけれど
友達がいる夏が嫌い
夜風は余熱を冷ます 人波は駅へ流れる
そっと触れてほしいけれど
汗ばんでるから夏がきらい

ああ あの子との会話には
間なんかないな
ねえわたしほんとうを言うと
このまま帰るのいや、いや…

今夜だけ浮かれたかった 真面目心がじゃまをした
今夜だけ浮かれたかった 口を滑らすはずだった
今夜だけ、今夜だけは

今夜だけ浮かれたかった
ねえわたしの真夏どこいった?
今夜だけ浮かれたかった
ねえこのまま帰るの

誰にでも話せるような思い出作りはしたくない
「どうしたの」と聞かれたら
笑ってしまう自分きらい 

ああ 恋が漂うロータリー
ひとりひとりバイバイ
ねえ わたしの精一杯は
こんなものなのか いや、いや… 

今夜だけわがまま言えば あなたと見つめ合いたいよ
今夜だけわがまま言えば 星空を見なくて済んだ
今夜だけ浮かれたかった 胸の奥底に沈めた
今夜だけ浮かれたかった 想いを見せるはずだった
今夜だけ 今夜だけは 

浴衣を着なかった理由
まぶたを刺す髪の毛
どうしたら輝けるの? 泣きたいわ
気づいてくれなきゃ いや、いや… 

今夜だけわがまま言えば あなたと見つめ合いたいよ
今夜だけわがまま言えば 星空を見なくて済んだ
今夜だけ浮かれたかった 胸の奥底に沈めた
今夜だけ浮かれたかった 想いを見せるはずだった
今夜だけ 今夜だけは
今夜だけ 今夜だけは
なんでもないよ さようなら


基本的には分かりやすい歌詞だと思いますが、解釈が分かれてくる歌詞もあるのかなと感じます。
ほな妄想していきましょうか。

※1
今夜だけ浮かれたかった ねえわたしの真夏どこいった?
今夜だけ浮かれたかった ねえこのまま帰るの
→ この歌詞はサビということもあって、曲中でも何度か流れます。この歌詞を最初に置くことで聞く側に、「あぁ、この曲は恋愛に関する曲なのかな?」と思わせる効果があって置いているんじゃないかなと。

※2
勇気出してつけた香水 火薬の煙に消された
→ この歌詞は、※1の歌詞が頭に付いていることで「火薬」というキーワードが「花火」に繋がりやすいなと思います。あと、この歌詞には、主人公の「言い訳がましさ」という曲を通じて感じる主人公像も入っているのかなと思います。
「好きな人に気に入られようとつけてきた香水。火薬の匂いのせいで意味が無いじゃない!」という気持ちかな。

※3
もっと近づきたいけれど 友達がいる夏が嫌い
→ 二人きりではないことと彼との距離感が遠くて、友達の方が近いことを示す歌詞ですね。自分のせいではなく、友達が居るから近づけない。主人公の「言い訳がましさ」がここでも表現されてます。

夜風は余熱を冷ます 人波は駅へ流れる
→ 夜への時間経過と終わりの時間になっていることを描写してます。
ただ、「人波」という言葉が気になります。
人波 = 『大勢の人が波のように押し合って動くこと。』なんだそうです。
この歌詞で一気に大勢の人が集まる「花火大会」の雰囲気が出てきます。
大勢の人が一斉に駅に向かっているわけですからね。

すると、※2の歌詞に1つ疑問が出てきます。
花火大会で火薬の匂いなんかするのか?まして煙が?と。みんなで買ってきた花火してるならまだしもです。で、私は思うんですね。
※2の歌詞で表現されているのは、本当に火薬の匂いがしているということではなくて、「火薬の匂いのせいで意味が無いじゃない!」というのは言い訳で、「香水に気付いてもらえるほどの距離感まで近づけない」のではないかなと。

個人的に花火大会の経験が少ないので火薬の煙がするのかもしれないし、ここは少し解釈が分かれるのかなと思います。


ああ あの子との会話には 間なんかないな
ねえわたしほんとうを言うと このまま帰るのいや、いや…

今夜だけ浮かれたかった 真面目心がじゃまをした
今夜だけ浮かれたかった 口を滑らすはずだった
今夜だけ、今夜だけは
→ この部分は※3で描写されている友達の方が距離感が近いことを示してますね。ここはそんなに考えることが無くて、主人公の本音が見える歌詞だと思います。 
何度も出てくる「今夜だけ浮かれたかった」と「今夜だけ、今夜だけは」という歌詞から主人公の後悔を色濃く感じます。


誰にでも話せるような思い出作りはしたくない
→ この辺りは解釈が分かれやすいのかなと思います。
「誰にでも」なので、男女の関係でも割と深めのことを思い浮かべます。
私は「キス」か「告白」ぐらいなのかなと軽めの解釈をしてます。


※4
「どうしたの」と聞かれたら 
笑ってしまう自分きらい 
→ 意中の彼に聞かれてるのか別の人なのかどちらにしても「本当のことは言えずに笑って誤魔化した」ことの描写かなと思います。

ああ 恋が漂うロータリー ひとりひとりバイバイ
ねえ わたしの精一杯は こんなものなのか いや、いや… 
→ ロータリーという場所なので駅に到着したこと、別れの場面が描写されます。
終わっちゃう・・・という焦りが歌詞から伝わってきます。


今夜だけわがまま言えば あなたと見つめ合いたいよ
今夜だけわがまま言えば 星空を見なくて済んだ
今夜だけ浮かれたかった 胸の奥底に沈めた
今夜だけ浮かれたかった 想いを見せるはずだった
今夜だけ 今夜だけは 
→ この考察の本丸というか、ここの考察が一番意見分かれそうです。
ここは歌詞を分解して、読んでいきます。


「あなたと見つめ会いたいよ 星空を見なくて済んだ」
→ この部分は「屋内のイメージからベッドの上」と考える方も居るようです。
話せないほど距離感があるのに、いきなりそこまで先のことを考えるとは、私は考えにくいんですよねぇ。大人っぽくて好きな解釈ですが、私は子供(28歳)なので、別の解釈をします。

帰り道でふと星空を見て「星空じゃなくてあなたと見つめ合いたかったな。」と思ったんじゃないかなと解釈します。歌詞の流れも考えると自然かなと。


「胸の奥底に沈めた 想いを見せるはずだった」
→  想いを「見せる」という表現。「言う」でも「伝える」でもなく「見せる」
彼女は想いを言うことも出来ず、行動で見せることも出来ず。
何もできなかった後悔がここでも描写されます。


浴衣を着なかった理由 まぶたを刺す髪の毛
どうしたら輝けるの? 泣きたいわ 気づいてくれなきゃ いや、いや… 
→ 「浴衣を着なかった理由」については何気に彼が言った好きな服や前に褒められた服を着てきたのかなと考えてます。
「まぶたを刺す髪の毛」は最近髪を切ったことを示してるかと思います。
「浴衣を着なかったのも髪を切ったのもあなたに見てもらうためなのに気付いてくれないの?!」という気持ちだと思います。


(略)
なんでもないよ さようなら
→ 諸々について勝手に怒り、さよならしちゃいます。
この歌詞を見ると、
※4の歌詞は彼から声をかけられてるような気がしてきます。
彼も気にかけて話しかけてくれてるのに勝手に話せない状態になっている主人公像も浮かびますね。


私が妄想したストーリー

10代の女の子が主人公。
意中の彼も含めた数名で花火大会に出かけた。
でも、彼との距離感は詰められず、彼のためにしてきた香水も服装も髪型も全部気付いてくれてない。なんだったら、友達の方が彼と距離が近いぐらい。
何もできず時間は過ぎ、駅へ向かう。
「誰にも言えないような思い出を作りたかったなぁ・・・」などと考えている内に駅に近づきロータリーが見えてきた。
口数が少ない主人公に彼は「どうしたの?」と話しかけてきた。
折角のチャンスだったのに主人公は「なんでもない!さようなら」と笑いながら言ってしまう。
1人の帰り道、星空を見上げながら帰る主人公。
「彼と見つめ合いたかったなぁ。想いを見せたかったなぁ。今夜だけ、今夜だけは・・・」 ココココンヤダケー ウーウーウー

まとめ
本当に切ない歌詞で、人気があるのも分かります。私もすごく好きな曲です。
ここはこうなんじゃない?こうでしょ?というご意見あれば是非コメントください。
この曲の妄想もして!というご意見も是非下さい。
皆でハロプロをエンジョイ!しましょう。


ではまた次回。



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